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『太平洋のレアアース泥が日本を救う』 [読書メモ2012]

『太平洋のレアアース泥が日本を救う』 加藤泰浩 2012/08
太平洋のレアアース泥が日本を救う (PHP新書)
 著者は東大大学院教授。 太平洋海底のレアアースを含んだ泥の鉱床に関する本。

 この本はKindleでも発売している。
 2010年9月に尖閣諸島での中国船問題が起きて、12月に『ネイチャー』に投稿した。が却下され、『ネイチャー・ジオサイエンス』にトランスファー(雑誌変更)。11年2月に査読を通過し、震災を経て11年5月に原稿が受理、電子版の掲載と報道解禁は7/4だが、事前の記者会見は6/28に行われた。
 このレアアース泥は、レアアースの含有量が高く、資源量が陸上埋蔵量の千倍と膨大、トリウムやウランなどの放射性元素を含まず、回収が容易であるのが特徴。
 レアアースの代替はできないと著者は力説する。代替材料では最高の機能が出せない、後ろ向きの技術開発になるという。
 大陸地殻の平均組成では、銅50ppm、金0.0018ppmでレアアースのセリウム80ppmから一番少ないツリウム0.4ppmと大したレア度ではない。
 地上のレアアース鉱床はマグマ由来のもので、レアアースが濃集するのと同時に、トリウムやウランなどの放射性元素も同時に濃集している。レアアースの中でも軽レアアースは世界的に鉱床が分布しているが、環境問題で中国以外では安価に採取できなくなっている。将来は中国でも開発は難しくなるだろうという。ちなみに温家宝首相は国務院地質鉱産部主任を務めた地質学者である。
 海底の海嶺付近の熱水活動では鉄やマンガンを含んだ物質ができる。この物質が表面の吸着能が高く、レアアースやレアメタルを吸着する。熱水由来と元々海水中にあったレアアースの両方を集めている。トリウムやウランは水に溶けにくいため、海水・熱水由来のレアアース泥には放射性元素がほとんど含まれない。
 現在三井海洋開発・三井物産と資源開発の共同研究を行っている。南鳥島に工場を作るのだとか。
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