So-net無料ブログ作成

金融庁2.0 [読書メモ2019]

『金融庁2.0』 上杉素直 2019/04

金融庁2.0

著者は日経新聞者コメンテーター。 金融庁20年の活躍とその変化を紹介する本。

 金融庁は1998年6月、旧大蔵省から分離した金融監督庁として約400人でスタート(現在1600人)。 発足20年を迎えた2018年夏、本格的な組織再編が実施された。金融とITが融合するフィンテック時代に対応し、金融を経済成長のエンジンに育てるのが組織再編の眼目だ。不良債権処理にもたつく金融機関を叱責する存在から転換し、金融庁が次のバージョンへ移る節目になる。
 『アマゾンバンク』『グーグルバンク』というワードが、ものすごい勢いで検索されている。存在もしないのに。 米国は銀行の他業禁止が厳しく、異業種が銀行をつくったり買収したりすることはできない。これに対し日本は「金融ビッグバン」の一環として2000年、銀行業務への新規参入を解禁。異業種の銀行参入はすっかり定着した感がある。 GAFAに銀行が狙われるとしたら日本だろう、というネット世論を映し出した現象だとも言える。
 仮定の話だが、米アマゾン・ドット・コムや米グーグルが日本で銀行業を始めたいと申請したら、金融庁は認可するのか。現時点での見通しはイエスだ。
 悩ましいのは、行政の検討など待っていられないと言わんばかりのスピードで、現行法制の隙間を縫うように新しい金融サービスが続々と生まれていること。
 融資だけではなく、預金の分野でもデジタル破壊の足音は聞こえている。「擬似預金」。スマホを使った決済サービス(ポイント発行)は、銀行が独占してきた「預金」に風穴を開けようとしている。
 企業の経営をどうやってわかりやすく、公正な形にしていくか。世界の国々がたどり着いた答えの1つが「コーポレートガバナンス」の向上だ。 金融庁が果たす役割は「コーポレートガバナンス・コード(原則)」と呼ばれるひな型をつくるところ。
 佐藤が長官に就任し英国流のプリンシプルを掲げた07年。それから10数年。プリンシプルの発想が浸透してきたと感じさせる成果が、「フィデューシャリー・デューティー」運動。ルール違反はないとしても、顧客の利益にならない行為は許せないという姿勢を金融庁が示した。
 名門地銀の天下りの歴史は、金融庁が仕掛ける形で幕を下ろそうとしている。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。