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メディアは誰のものか [読書メモ2019]

『メディアは誰のものか』 一色清 2019/03

メディアは誰のものか――「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書)

著者は朝日新聞社教育コーディネーター。 現代メディア論の講義と対談をまとめた本。

 一色:ある新聞社のデスクは「特ダネはいらない」と公言しているそうです。 特ダネの価値が以前より低くなったことに加え、世の中の誤報に対する批判は、以前とは比べ物にならないほど厳しいものになっています。こうした状況に置かれている中で、リスクを取るということに対して、マスメディア全体が非常に慎重になっていると思います。
 池上彰:原稿を下読みして「わからない」と指摘すると、「わからないのは、おまえがバカだからだ」と経済部の担当者に言い返されたのです。要するに、これが現場の記者の発想なんです。 わからない人間が読んだニュースが視聴者にわかるわけがありません。 「こどもニュース」時代に叩き込まれたのは、伝える側が「そんなの、当たり前だろう」と思うようなごく基本的な知識からていねいに説明することの大切さでした。
 青木理:現在のような「(政治的)一強」状態が続くと、もはや主要なネタ元は官邸一択に近くなってしまう。しかも相当に質の低い無知で無謀な政権に抱きこまれ、気に入らなければネタが取れず、距離を置く記者たちは干されてしまう。
 2016年の春、国谷裕子さんや岸井成格さん、古館伊知郎さんという、政権に批判的とされたキャスターらが相次いで降板したことが話題になりました。それぞれの背景はあったのでしょうが、メディア界に漂う”安全運転”の風潮が作用したのは間違いないだろうと思っています。
 津田大介:これからは、わざわざお金を払わないとちゃんとした情報が手に入らないという時代になっていきます。お金を払ってでも新聞や本を買ってちゃんとした情報を手に入れようという人と、無料の広告コンテンツに支配されたジャンクなネット情報しか見ない人とに分かれていくという傾向は、今後ますます進んでいく。
 金平茂紀:今のマスメディアをダメにしている大きな枠組みを申し上げると、ネットメディアと既成メディアがまるで対立関係にあるようにみなす風潮です。
 よく、「安倍一強の官邸権力が介入して報道の自由を奪おうとしている」みたいなことを言う人がいます。それは違うと思うんです。今、日本で起きていることは、メディアが自発的隷従によって監視機能をみずから放棄している。
 林香里:どんなに高度にデジタル情報化が進んでも、私たちはマスメディアに頼らざるを得ない。とくに遠い国からの情報の一つひとつを、いちいち疑ってかかる人はいません。
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